2023年10月24日(火)18:30-21:00
場所:なは市民協働プラザ
参加者:受講生23名、チアーズ6名
なは市民協働大学院 第6回講座 開催しました!
第6回講座の講師は、チアーズとしてもずっとサポートしてくれている、安谷屋さんです!
「なんで誰も教えてくれなかったの?」とご本人もこの考え方に初めて出会った時にそう思ったという
「コミュニティ・オーガナイジング」を学んでいきます。
講師紹介
安谷屋 貴子:NPO法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン前代表
神奈川県出身(宮古島ルーツ)。琉球大学卒業。2013年から福島県双葉町の復興支援事業で、原発
事故により全町避難を強いられた双葉町の復興支援事業でコミュニティ支援に従事し、2014年にコミュニティオーガナイジングと出会う。
大学時代からずっと沖縄の課題が頭にあって、これがあれば解決できると考え、2022年5月末から拠点を沖縄に移す。
コミュニティ・オーガナイジングとは
1人では小さなチカラだけど、みんなで力を合わせる事。そしてスイミーは色違いな個性だったけど、
それを物語の中では「目」という大事な役割を担うという個性も尊重し生かすという考えも含まれる
物語でした。自分達には変える力があるという事に気づき、そして自分達がアクションを起こすとい
うものです。
コミュニティ・オーガナイジングは20世紀初頭のアメリカで、社会的弱者の声を社会に届ける取り組み、
実践から生まれました。市民の力で自分たちの社会を変えていくための方法であり考え方です。
「助けてあげる」ものではなく、社会で起こっていることが自分にとって何故許せないのか、我慢で
きないのか、それを共有し、共感した人と共に活動し、エンパワーメントするものです。
①ストーリーを語る
②関係を作る
③チームを作る
④戦略を作る
⑤アクションをする
普段からしている事。それを意図的に効果的に取り組む事が大切です。
これを実現していく為に必要なリーダーシップのスキルの最初のひとつが「パブリック・ナラティブ」
です。
共感を呼ぶストーリー / パブリック・ナラティブ
自分ひとりでは難しいことを他者と一緒に叶えたいときに、一緒に取り組みたい相手に向かって語る
ストーリーがパブリックナラティブ(公のストーリー)です。
何故ストーリーの共有が必要なのかというと、、それは「戦略だけでは人は行動しない」という事が
背景にあります。
認識的な理解と感情的な理解がある事を認識し、人間の意思決定と感情の関係性を考えてみましょう。
例えばデータだけ並べられて話をされるのと、経験や感情を含めた話だと伝わり方が違います。
パブリックナラティブの構造
パブリック・ナラティブの構造は大きく3つに分けて語られています。
【パブリック・ナラティブを構成する3つのストーリー】
①ストーリー・オブ・ナウ
何故今しなければならないのか(緊急性)、今何が起きているのか、具体的に何をすることで変化が
起こるのか。
②ストーリー・オブ・セルフ
私自身の価値観を伝える。その価値観はどんな経験に基づくのか。
③ストーリー・オブ・アス
私と皆さんとの共有している価値観。共通の経験。私たちなら変えられそうだねという希望。
聞き手の頭の中に情景が浮かぶように、シーンを語るのがコツ!
まずは安谷屋さんから参考としてご本人からストーリー(パブリック・ナラティブ)を話して頂きまし
た。安谷屋さんの語る自分自身、周りの大切な人、今の社会などのストーリーを織り交ぜながら話す内容は、繊細な言葉の1つ1つが情景を浮かばせ、受講生からは共感の声もありました。
ストーリーは、ナウから考えるのが良いと言われています。緊急性、ビジョン、そして求めるアクション
などを整理していきます。その次に自身の経験や感情を織り交ぜていくセルフ。そしてナウとセルフを
繋げていくアスがあります。具体的にパブリック・ナラティブの作り方を学んでいきます。
パブリックナラティブの作り方
相手が変わると共有している経験が違うので、「誰に」伝えるかが非常に大切です。
・場面とそこにいる人たち(呼び掛けたい人たち)を想定
・その人たちと私に起こっている緊急の課題は何ですか?【ナウ】
・なぜ私にとって緊急なのですか?行動せずにはいられないですか?【セルフ】
・なぜ今、ここにいる私たちみんなで行動を起こすことが変化につながるのですか?
どんな希望があるからですか?【アス】
・どんな選択(行動)をすることをここにいるみなさんに求めますか?【ナウ】
・その選択(行動)はどう変化を起こすことが出来ますか?【ナウ】
具体的に何をしてほしいのか、求めるアクションを明確にしておくのが効果的です。
実践!ストーリー作り
それではイザ実践という事で、受講生それぞれのストーリーを作っていきます。まずはストーリー・オブ・ナウから作っていきます。皆さん集中しています。
皆さんのストーリーも出来てきた頃合いで、3人1組になり、それぞれのストーリーを話して頂きました。
これまでの講座ではチーム内のワークでしたが、今回はあえて別チームで3人1組になってのワークです。
ワークショップのルールはこちら。
・この場の話はこの場に止める
・時間を独り占めしない
・フィードバックは良かったところから
・他の人のストーリーを聞く時は聞くことに集中する。
それぞれが3分ずつ自分自身のストーリーをシェアして頂きました。ワークショップのルールにある
ように「この場の話はこの場に止める」事とし、文字の記録には残していませんが、それぞれ想いの
込めたストーリーを話していました。写真をご覧ください◎
アツいアツいワークの時間が終わりました!
「時間が足りない〜」という声も多くありました。今回は練習という事ですが、短い時間で想いを伝
えるのも大切な事なので、皆さん良いワークになったかと思います◎
本当に想いを伝えたい相手とお話できる時はもっと時間を頂いて沢山の想いを伝えてみてください。
チーム共有・シェア
最後は各チームに分かれて、先ほどのワークでの内容をチームメンバーに共有しました!同じチームで
活動していたメンバーでも伝え方はそれぞれです。
小禄チーム
小禄一丁目に住んでいる人たちや地域のために動きたいと思っている人たち向けに話します。
好きなことを生かし合う。出来ない理由よりできる理由を探していく。そんな場を公園に作っていき
たいです。ぜひ一緒に取り組んでいきましょう。
新都心チーム
地域住民向けに話します。
昔ながらの地縁を思い出しつつ、新しいまち新都心にもそういった地縁のきっかけを作りたい。
まずは11月の秋祭りにて実験的にブースを出してみます。
中心市街地チーム
通り会の皆さん向けに話します。
沖映通りの防災に取り組みたい。自分自身イザという時は中々体が動かない経験も多くあったが、イ
ザという時に動ける人になりたい。チームのメンバーそれぞれが沖映通りに想いがあるのと、沖映通
りの皆さんとの関係性もあるので、一緒に防災に取り組んでいきたい。いきなり取り組むのではなく、
まずはアンケートを取りたいなと思っているので、ぜひ協力よろしくお願いします。
首里チーム
石嶺のまち協や地域の方向けに話します。
私自身震災の経験があるが、ふるさとは私の心の中にずっと残っている。人生にとって、ふるさとは
大切なものと感じながら生きている。今は子や孫は石嶺がふるさとになっている。しかし今石嶺には
遊び場が少ないと感じている。すでに石嶺には可能性のある資源や場所もあるので、まずはそこを活
用していく子供向けのワークショップをしたいと思っている。ぜひサポートとしてご参加頂きたい。
石嶺を素敵なふるさとにしていきましょう。
那覇西チーム
在沖ネパールの学生や若いお母さん向けに話します。
ナマステ。皆さんと同じ学生です。私たちの地域は海も近くて、ネパールの方が通う学校も多い地域です。最近児童館には赤ちゃん連れのお母さんもいます。生活習慣や食文化の違いに困っていないかも心配です。先日の台風で困った方も多かったですよね。水や電気、食料だけでは無く、台風の中コンビニ営業頑張った方もいます。そういうイザという時に困らない為に、防災について取り組みたいと思っています。実は11/2に天妃小学校で防災キャンプもしますので、防災食を食べたり泊まったり
しながら、一緒に学んでみませんか?
真和志チーム
スタンプラリーの中でアンケートをして、松川地域で繋がりがほしいと思ってる人たち向けに話します。
スタンプラリーお疲れさまでした。ちょんまげのおじさんです。楽しかったし、皆さんと出会えて良か
ったです。実はこういった取り組みを防犯や防災と繋げて取り組んでいきたいと思ってます。今度の10月にハロウィンがあります。実はハロウィンでもスタンプラリーをしつつ、子ども達には逃げ場所を知ってもらうような仕掛けにしたい。ぜひ一緒に取り組んでいきたいです。子供に負けない仮装もしてみましょう!
・・・皆さんそれぞれ想いのこもったストーリーでした。
最後のまとめです。
これから企画をブラッシュアップしていくにつれて、どんどん具体的な人や組織などを巻き込んでいき
たいと思うはずです。これからの企画作りでこの手法も生かしながら、共に活動したい仲間を増やして
いってください。
パブリック・ナラティブとは「表面のツヤ出し、ではなく 『内面の輝き』を引き出すもの」です。
1人では小さなチカラだけど、みんなで力を合わせていく取り組みにぜひ繋げていってください。
次回に向けて
企画が固まってきて、一緒にやってほしい人の顔が見えてきたら、その人たちに向けてどういうメッセージを
発したら来てくれるだろうか、仲間になってくれるだろうかということを考えながらストーリーを作りましょう。
次回講座は、地域の方やこういう人たちとやりたいなと思う人を実際に呼んで仲間にしてしまおうの会です。私たちの企画を成功させるために話をしたい役所の人、地域の人、キーパーソンを教えてください。事務局やチアーズのネットワークも使って、呼びかけします。
でも何より、今日学んだことを活かして、是非これをあなたとやりたいんです!その作戦会議に一緒に来てください!の呼びかけを実践してほしいです!
次回第7回講座は・・・
11月14日(火)18:30〜21:00 会場:なは市民活動支援センター
「企画ブラッシュアップ/発表準備」プレゼンのコツ
講師:石垣 綾音