7月11日の第1回講座(開講式・オリエンテーション)の式次第と
概要説明で使用したスライド、資料をPDFでアップします。
2023年7月11日(火)18:30-21:00
場所:なは市民協働プラザ
参加者:受講生32名、チアーズ9名
なは市民協働大学院2023開講しました!
なは市民協働大学院とは、地域課題の解決に向けた動きを促すコーディネーター的人材の
発掘・育成を目的とした市民講座です。
地域の現状把握から企画提案までの流れを通して、必要なスキルを学んでいきます。
今年は35名の受講生と共にスタートです。
1.学長挨拶
まずは、なは市民協働大学院の学長である知念覚市長による激励の挨拶を頂きました。
2.チアーズ自己紹介
全ての講座のファシリテーターを務める石垣綾音さん進行のもと、
まずはチアーズの皆さんの自己紹介です。
チアーズとは、協働大学院のOBOGや地域活動を行うキーパーソンで構成する応援団の事で、
豊富な知識や経験で、受講生の企画提案などをサポートします。
それぞれ那覇の好きなところ、那覇の嫌いなところを話して場を盛り上げてくれました。
座席をひとつの円形にし、これから共に学び合う受講生の自己紹介です。
皆さんそれぞれの想いをひとり1分程度にまとめて話してもらいました。
これからの活動の中でどのように実現化していくか楽しみですね。
4. 大学院 プログラム概要説明
那覇市若狭公民館の宮城潤館長から大学院についての説明を行いました。
本講座で身につける3つのスキル(じっくり、しっかり、ちゃっかり)や、
企画づくりのプロセスについてなど分かりやすいスライドで共有して頂きました。
5. グループ分け、グループワーク
アイスブレイクして、地域グループ分け(小禄・那覇西・中心市街地・新都心・真和志・首里)
をし、ファシリテーターを務める石垣綾音さんオリジナルのカードゲームをしながら、地域のこと、地域への想いをチーム内で共有して頂きました。
親は手元から聞きたい質問のカードを選び読み上げます。
親以外の人は答えを考え、発表します。
一番ナイスな答えの人にカードをあげます。
一番多くカードを集めた人の勝ちです。
6.グループの決意表明
2023年6月24日(土)14:00-17:00
場所:なは市民協働プラザ2F なは市民活動支援センター 会議室①
参加者:一般参加者・チアーズ含め約50名
第0回 公開講座を行いました!
2023年度なは市民協働大学院は、開講に先がけステキなゲスト講師をお迎えし、第0回講座を公開で行いました。
一般申込の方とチアーズの方々も含め、総勢50名以上で楽しく学びました。
第2部:なは市民協働大学院2023について
・なは市民協働大学院2023概要
・なは市民協働大学院OB/OGの活動について
開会 挨拶
那覇市まちづくり協働推進課 屋比久課長より開会の挨拶をいただきました。
第1部:牧野篤先生講話 講演
「ちいさなしあわせ」を重ねる 〜 今、なぜ「小学校区のまちづくり」なのか!? 〜
社会に居場所ができると、子どもたちは自立(自律)します。話せばわかってもらえるという信頼感が自己肯定感を強めます。社会教育の学びを通じて、人々のつながりや関わりを作り出し、協力し合える関係としての土壌を耕しておくことが求められています。
地域(ふるさと)をつくる公民館
明治以降の日本社会は、小学校区を基本に作られ、現代も小学校区単位の社会づくりは維持されています。戦後は小学校区を基本に公民館がつくられました。当時の公民館の様子を映像で見ると、社会の最先端だった公民館。新しいことを見せてくれて、体験し実感できる場でした。公民館・社会教育はこの社会をみんながつくりみんなが愉しく暮らすための地下水脈と言える。普通は気づかないけれど、無くなると困ってしまう。水脈が流れていくことによってその上に緑が生い茂っていくのだと考えられている。社会教育がしっかりしていると、社会に(それぞれの)「目的」が生まれる。一般行政は社会教育の基盤の上で、有効に機能する。
社会教育は社会を永続させるための人々の関係を耕す「営み」でこれを「学び」と呼びたい。
社会教育は生きるを支え、みんなが同じように生活できるように基盤を整えて(共生)、その上で生涯学習という、ひとりひとりが目的を持って生きていけるように(多様性)して行きましょう。
社会教育は生きるを支える。生きるを共にするのは持続可能な社会の実現につながる。「共に生きる」から、「生きるを共にする」に言い換える。
お弁当持って来てみんなで食べようが「共に生きる」で、みんなで持ち寄って大皿で互いに食べさせ合う、みんなで食べようねが「生きるを共にする」と言う感じ。誰もが役割があってそれを持ってきて、それをみんなで共有して一緒に生きて行きましょうねというのが、生きるを共にするということ。
学生が「コロナが終わってようやく令和の時代にになりましたね」と言う。それまでずっと昭和を引きずっていた。平成は激動なのに空白。バブルも崩壊し経済もガタガタになり、阪神淡路大震災や東日本大震災もあり、変わらなければならないねと言われていたのに変われないでいたのが、コロナ禍でようやく変わらなければいけない方向に変わり始めた。
学校を開いて地域の人に入ってもらいましょうから、学校から子どもを地域に出しましょうになってきている。
子どもたちが学校で学ぶことは知識ではなく、それ以降、探求する力。子供に寄り添って子どもと一緒に喜びあって、更に探求し続けるように教え方を変えてくださいとなっている。(教員資質向上答申)
校長先生をチームリーダーとして、学校がチームとして機能するように、学校組織の組み替えをしてくださいと
なっている。現状の先生が多忙な状況は変えなければいけない。部活の社会化、公務文書減らす、先生方が子どもと向き合う関係を作る。学校に地域が関わって支援してもらうような関係性を作る。(チーム学校答申)
それらを受けて、地域と学校の関係性は、今までは学校に地域が関わって行って、学校の中で先生方が教育活動が完結できるように地域が支援してくださいという関わりだったが、これからは逆にしてください。学校と地域が一緒になって子どもを育てるので、子どもが学校の中で学び方や探求の仕方を覚えてくるので、地域に出て地域の方と一緒に探求活動を進めて、新しい知識や価値を発見したり作ったりして、また学校へ戻って教えあって、また地域に出てきてと言う風に、地域が関わる以上は地域に任せてくださいと言えるような関係性を作る(地域学校協働活動答申)のが本来の考え方。この3つ合わせてコミュニティスクールにしてください。
学校の変質
コロナ禍で学校が一斉に行くところでは無くなっている。全国的に25万人(小中学生クラスに1〜2名くらい)が不登校。このうちの多くの子どもたちが不適合で行けなくなったのではなく、選択的不登校(自分から行かないことを選んだ子)が急激に増えた。
勉強は好きだけど学校が嫌い。コロナ禍でオンラインで授業を受けることを覚えてしまい、久しぶりに学校へ行
っても、友達には会いたいけれど、先生の授業が退屈で受けたいと思えなくなったと言う。
東京では進学希望、全日制希望9割を切った。多くは通信制に流れている。
学校に行かなくても学べること、オンラインでも社会に関われることを知ってしまい、みんなで一緒でなければならないことがわからない。学校が機能不全。
一方、高齢者では・・・
かかわりが大切な社会
運動と栄養について良い習慣を持つことに更に社会参加が加わると死亡率が大幅に低下する。(静岡県の高齢者コホート研究結果を紹介)死亡率を下げる要因として、運動と栄養について良い習慣を持つと3割下がる。更に社会参加が加わると5割下がる。ひとりで学ぶことも大事だけど、仲間と笑って過ごすことが長生きの秘訣。 また、孤食と死亡の関連についての調査では、同居しているのに孤食の男性は死亡リスク高く、独居でも共食習慣があると死亡リスク低いことがわかっている。
小学生時代にボランティア経験を積んだ子は社会貢献意識が高まる。参加・協力を経験した子どもは、他者のために行動することを好み、利他性と互恵性が高まり、他人への協力を好み、国への誇りを持つようになる傾向がある。
「かかわり」が子どもを含めた人々の精神や意識のあり方を決める。
島根県益田市の取り組みの紹介 益田版カタリ場
語る会のルールは…自慢話はしない、叱ったり指導したり教えたりしない。どれくらい失敗したか、どんな思いでこの地域にいるのかを語る。「どんな人になりたいか」地元の大人と高校生が語る。この取り組みは評判が良く、市民4万人中5千人の市民が語った経験がある町となった。
対話を繰り返すことで、高校生がこんな大人になりたいと言うようになり、高校生が小学生と語りたいと言いだし、中学生になった子達が後輩たち小学生と語りたいと言うようになり、先輩たちがロールモデルに。そして子どもたちの語る姿を見て大人も世代の壁を超えて語り出した。その結果、子どもたちの7割が地元に帰ってきたいと言うようになった。
FOR ALL の上に BY ALL
FOR ALLみんなのために行政が準備しますよ。機会を保障しますよ。と言うことをしてきましたが、その上でBY ALL(相互承認)な形に変えていくことが必要なんじゃないか。
岐阜のコミュニティスクールづくりで起こったこと。コロナ禍で子どもたちが高齢者を心配して、自分たちで作ったマスクを送った。その後、子どもたちからもらって感激した高齢の方々が子どもたちのために作って送りあった。「学び」=「よきこと」に気づき、実践する。社会に「共通善」を実践する営み。
新しい三世代 社会は三世代の中抜き(働き盛りの親世代抜き)でつながっていく。じじばばが孫の面倒を見る。家庭内三世代から都市内三世代。地域で子どもたちを見ていく。
みんなが主人公になる構え 対話しよう。学びほぐし、学び続けよう。先入観を壊し学びなおす。新しい自分とみんなを発見し続けよう。AARサイクル まずやってみよう。
AAR Anticipation楽しいことを予測する(ウキウキ・ワクワク)Actionやってみる Reflection振り返る(→評価しない) AAR循環からAAR代謝。
恩送り。もらったら返すのではなく送り続けていく。
小学校区の〈ちいさなしあわせを重ねる社会〉をふるさとに。
「草の根」から人間関係を耕して、社会基盤を整える。穏やかな「共感共同体」を多様に・多重につくる。
みんなが楽しいよね、嬉しいよね、を共感しながら、関係性を作っていけるような社会になっていく。
その単位を「校区」にしておけば、学校に通っている関係を基本にしながら、気持ちを重ね合っていくことができるんじゃないか。そんなことを皆さんの小学校区のまちづくりに組み込んでいただけると、楽しいことが起こるんじゃないかと思います。
NPO法人地域サポートわかさが企画・運営を受託しております。
実際どんなことをしているかをお知らせします。
牧野先生の話でこれからどうしていきたいか…ワクワクしたところで、なは市民協働大学院2023
那覇市主催で行う
地域課題解決に向けた動きをできる人材を発掘・育成 するものにしてください
地域コミュニティで活躍していただく、地域コミュニティをつなげていく
「高齢者ワクチン接種支援プロジェクト」
一言で言うと、校区まち協が、高齢者にワクチン接種予約支援を、地域で会場を設置して行ないました。
首里チーム2019 ゆるいつながりで、その後も集まったりしています。なは市民協働大学院受講中は、机上で調べ、実際に町を歩いて、現象と課題をたくさん知りました。
自助、共助、公助の間に「近所で近助」を入れる。平常時から顔の見える近所の方と災害の時は助け合う関係を作っておく(近助)という「独居高齢者を近所で近助」がワクチン接種支援プロジェクトの原型です。
接種券はあるけれどネットや電話でなかなか予約が取れない独居高齢者をサポート。まずはじめに大名小まち協
が予約をお手伝いし、石嶺小まち協が見学に来て、次々広がって行った。そこで民生委員、地域包括支援センター、まちづくり協働推進課に協力を要請。要請の結果、市長のご英断により実現!ひとつのまち協・実施会場から始まったものが、最終的には11まち協・8会場、那覇市全域の取り組みに広がりました。
なは市民協働大学院で思いを共有→緩いつながりが続く→つながると動く→次のプロジェクトにつながる。
首里チーム2019と2022・2023も繋がって一緒に動いていきたいと思っています。
OB/OG発表「那覇西チーム」
「防災居酒屋おやじの会」地域の危険な場所、倒れそうなブロック塀はないか、おやじの会で、できる活動があります。「天妃防災おしゃべりCafé」スクールゾーンは安全なのか、非常食はどうしようか、ママさんの会で、できる活動があります。そして「防災じんぶん喫茶」として、戦後の混乱期を生きぬいてきた、おじーおばーにも参加してもらう。命を守る知恵「ぬちぃど宝」を、私たちや子供たちに伝えてもらう。
そのようなグループ活動をしながら、みんなで集まって、ユンタクする場が「ぼうさい井戸端会議」です。
難しいことは一切しません。冷たいビールを飲みながら、ゆるーくおしゃべりをする。
アイデアを出し合って、無理なく活動することで 顔の見えるお付き合いをしたい。高齢者の居場所ができ、「生きがい」ができ、世代間交流に繋がり、文化の継承ができる。地域を構成する一人ひとりが、持っている力を発揮し、自らの意思決定により、自発的に行動できるようにする。
「ぼうさい井戸端会議」からスタートして、将来像としては「まちづくり井戸端会議」に発展させることを目指していきます。そんな仲間を「1年間に5人増やす」ことを目標に掲げ、グループラインを作って、メンバー募集をしました。3名でスタートした活動ですが、多くの賛同をいただき、現在のメンバーは28名。
多種・多彩なメンバーで活動しています。
これらの取組みは、東京大学が実施した「チャレンジ!!オープンガバナンス2022」にも、エントリーすることができました。
冷たいビールを飲みながら、あちこーこーの焼き鳥を食べながら、おしゃべりしたいなー、防災について勉強したいなーと興味がありましたら、気軽に参加をお願いします♪
今後、地域の方々へ説明、まち協たちあげ準備中とのことです♪
OB/OG発表をきいての牧野先生
大事 強いつながりを持とうとか目的を達成しようとかそういうのがないのがいい
あまり強い関係性を持とうとするとうまくいかないとつらくなる
強い結びつきは大事だけどそれが一旦壊れると辛い。
曖昧だけど緩やかでそれがいっぱい重なっている状態が一番いい。挨拶ができる関係性。
目的が曖昧。目的達成を目標にすると直球で行こうとする。達成できないといけないことになる。
皆さんのやっていることは回り道のようでいて、それがいちばん近道。
ゆるやかなつながりが子供達を大事にしていこうと言う思いが重なって行っていい。
企画段階ではギチギチで考えていたが、大学院で学ぶことによって、ゆるく、長く続けたいなと取り組んでいる。
1年で500人くらい新しい友達ができた。つながったことが一番良かった(松田さん)
平常時からつながりを作る。大きいイベントじゃなくても普段の声かけ、近所で顔と名前が一致するような付き
合いをしているのが大事。取り組まなきゃならない状況。目的が一緒なのでできるだけ一緒にやっていこう。
那覇市に対しても目的が一緒なので相談して予算も活用させてもらった。使命感を持ってやったとかではなく
誰かがやらなければならないのだから、動ける私たちがやろうよ、と。行政にも動いてもらおうよ。
動きながら考える。それが次にもつながる関係性の構築だった。(鎌田さん)
市民だけでやるのではなく、行政がサポートできるところは一緒にやっていく。(石垣)
質疑応答 その前に近くの方とちょっと語り合う
Q 国頭村は相互扶助はまだできている。高齢者のことはできている。子ども達はじじばばが見ている。
社会教育は・・・何をどうやったらいいか・・・。大学院ができるきっかけを聞きたい。
どうやったら国頭村で大学できるか。(国頭村社会教育委員 大城さん)
A 国頭村民協働大学を作ったらどうですか?
協力しますから、提案していただいて、作ってください。(牧野先生)
自分たちが主体となって作れるので。プログラム作りなど協力できることがあれば(石垣)
彼らが学んで実施したことで我々の事業にも弾みがつき、老人の円卓会議等もできて・・これからもよろしく
お願いします。ありがとうございました(石嶺小学校区まちづくり協議会)
Q 自治会代表に学生と言う例がありましたが…自治会主催の自主防災組織も高齢化。知見をもった高齢者の方とともに若い人の力も欲しい。次世代の防災リーダーを育てるには?自治会活性化のヒントをお願いします。
(一般社団法人災害プラットフォームおきなわアーリーさん)
A 地域の組織をどうするか。あおられて、義務感でやると続かない。
富士山の麓。噴火予測が変わりハザードマップのつくりなおし。子どもたちに町の探検をしてもらうと、ここの
道は走ったほうがいいよとか、子どもたちに提案してもらったり。既存のものをどうにかしようとすると大変なので新しいものを提案して、どうですか?と意見を聞き、また考える。
力技でやると壊れるので、孫の世代がやっているのをみると、高齢の方も動くので。
Q 島根県の事例に魅力を感じました。沖縄県の子たち、沖縄好きで残りたい。大人は語りをしていない。
島根の地域性と沖縄の地域性を比べて、どういうことに力を入れたらいいか。(生涯学習振興課)
A 沖縄の地域性知らないのだけど・・・どこの地域でも言えるのは、大人の事情と子どもの感情はずれる。
島根も益田も失敗し続けてきて今がある。隠岐の島の海士町の魅力化でうまく行っている。
隠岐島前高校は魅力化で成功。大人の事情を抑えて子どものために一生懸命なると、魅力的な学びができる
ようになって島留学がうまくいく。多くのところが、大人の事情が前に出て、子どもを使うとなんとかなると
してしまうと、こどもたちが実際道具だろ?と。自分たちがやりたいことができない。自分が大事にされてな
いという感覚になる。島だと、外から来た子がちやほやされると、島の子がすねちゃったり…何が大事か。
大人の事情も、本来子どもを大事にすることに関わりがあったはず。大人が自慢話をしてプライドが保たれる
のではなく、むしろ昔悩んだことや失敗談を語りかけることで、ありがとういう関係性に。子どものために
一生懸命になると子供からありがとうと言われてうれしい。子どもを中心に、大人が何ができるか。
子どもを尊重し、大人も子どもたちから尊敬されるようになる。
今、若い子たちは仕事があるかどうかで地元に残るかどうか選んでない。オンラインで生活できるようになった
ので、一回出るけど、できた関係性引っ張って帰れると思っている。時代。
若い子は新しい仕事作れると思ってる。帰って元からあった仕事をするのではない。地元で一緒にやろうねと
いてもらえる関係か。大人が学ぶこともたくさんありますね。