2026年7月3日金曜日

【レポート】公開講座「那覇における地域づくりを考える」|2026

2026年6月21日、なは市民協働プラザにて、なは市民協働大学院2026の公開講座が開催されました。参加者は49名。

講座では、大学院のプログラム説明に続き、修了生団体による活動紹介、そして南信乃介氏(NPO法人1万人井戸端会議 代表理事/前・繁多川公民館 館長)と宮城潤氏(一般社団法人まなびとまちと 代表理事/前・若狭公民館 館長)によるトーク「那覇における地域づくりを考える」が行われました。司会は石垣綾音氏(合同会社みるぶん 共同代表)が務めました。


なは市民協働大学院とは

なは市民協働大学院は、地域課題の解決に向けた動きをつくり出す「コーディネーター的視点を持った人材」の発掘・育成を目的に、那覇市が主催する講座です。

前身にあたる「なは市民大学」は2009年に開講し、翌2010年に「なは市民協働大学」へと改称されました。その上級者編・実践編として2015年度に「なは市民協働大学院」が始まり、2016年度には那覇市第5次総合計画に対する市民意見を取り入れる場としても機能しました。

受託団体はこれまで、南信乃介氏がアドバイザーを務めた2017年度、南氏の1万人井戸端会議がまちなか研究所わくわくと連携して受託した2018年度、宮城が事業統括責任者を務めた地域サポートわかさが受託した2019〜2025年度を経て、2026年度は宮城が新たに立ち上げた一般社団法人まなびとまちとが受託しています。この間、修了生は各地域・各専門分野で活動を続け、協働によるまちづくりを推進する人材の裾野を広げてきました。



講座冒頭では、那覇市の地域づくりを取り巻く状況についても説明がありました。

自治会加入率は13%台まで低下しており、市内の約37%のエリアには自治会そのものが存在しません。

こうした状況の中、地域づくりの新たな枠組みとして「小学校区まちづくり協議会」の設立が進められており、現時点で17協議会・5準備会が立ち上がっています。

設立から10年を経て、その位置づけは「組織をつくること」から「ゆるやかなつながりを育むプラットフォームにすること」へと重点が移りつつあるとのことです。




こうした流れを踏まえ、那覇市は今年3月、市民参加のワークショップや庁内議論を経て「那覇市地域づくり推進方針」を策定しました。

なは市民協働大学院は、この方針に基づき地域コミュニティで活躍し、地域コミュニティをつなぐ人材を育成するプログラムとして位置づけられています。

大学院が掲げるコンセプトは「じっくり・しっかり・ちゃっかり」の3つです。地域の現状を丁寧に観察し課題を発見・定義する「じっくり」、発見した課題をもとに実現可能な企画を立案する「しっかり」、課題に取り組みながらも自分自身や周囲を楽しませ仲間を増やしていく「ちゃっかり」。



これらは、地域で活動する人々が自然に踏んでいるプロセスを体系立てたものだと説明されました。

2026年度は、例年より早い第2回に1泊2日の強化合宿を組み込み、早期のチームビルディングを図る点が特徴とされています。

全8回の講座を通じて、まち歩きによる地域調査、課題設定、企画づくり、コミュニティ・オーガナイジングの手法などを学び、第8回の最終成果発表会・修了式に至る構成となっています。

修了後も、東京大学主催の地域課題解決アイデアコンペ「COG・チャレンジ‼オープン・ガバナンス」への挑戦など、活動の継続を後押しする姿勢が語られました。


OB/OG活動紹介

講座の中盤では、修了生による活動紹介が行われました。

首里石嶺地域で活動する「ミネコヤ」は、2023年度・2024年度の修了生を中心に2024年から活動する団体です。

自治会が組織されていないエリアが多く、子どもの居場所も少ないという石嶺地域の課題を受け、放課後の子どもの居場所「わくわく嶺っ子クラブ」を企画・運営しています。拠点は、これまで利用が少なかった石嶺町民会館を主に活用し、2025年度の夏休みには1週間にわたって施設を朝から夜まで開放し、ワークショップや映画上映会、防災キャンプなど多様な企画を実施しました。

PTAや映画監督、アート系団体など、常に誰かと連携しながら活動する姿勢を大切にしているとのことです。COG2024ファイナリストに選出されています。


真和志地域で活動する「真和志well-being」は、5名のまちづくり協議会関係者によるチームです。

真和志小学校周辺で保護者の送迎による交通混雑が発生し、通学路の安全確保が課題となっていることを受け、2025年のハロウィンに地域住民とともにコスプレ姿での旗振り活動を実施しました。

この経験から生まれた企画が「Let's てくてく登下校‼」で、地域全体で子どもが歩きたくなる環境づくりを段階的に進めています。COG2025では全国63チーム中の最終審査13チームに選出され、「JIPDECサポーティングパートナー賞」を受賞しました。


続く質疑応答形式のセッションでは、両チームからフィールドワークやヒアリングを企画づくりの軸に据えたこと、地域住民や既存の組織との連携が比較的スムーズに進んだこと、拠点となる場所の有無が活動の継続に影響することなどが語られました。

市民活動を継続する秘訣としては、出入りしやすい活動の形にすること、無理のない最小単位から始めることが挙げられました。




対談「南信乃介×宮城潤 那覇における地域づくりを考える」

後半は、南信乃介氏と宮城潤による対談に移りました

両氏の付き合いは約20年に及び、南氏が20代半ば、宮城氏が30代半ばで若狭公民館の館長になった頃、社会教育の勉強会で出会ったのが最初とのことです。以来、那覇市の公民館長仲間として、それぞれ異なる立場から那覇のまちづくりに関わり続けてきました。


宮城氏は社会教育とは異なる「アート」の領域(前島アートセンター)から地域づくりに入ってきた経歴を持ちます。一方、南氏は子ども会・ジュニアリーダー活動を通じて幼少期から地域づくりに触れ、大学でも持続可能なまちづくりを学ぶなど、社会教育の道を歩んできました。

両氏は、活動へのアプローチの違いについても語りました。

宮城氏は自らを「物事を斜めに見るひねくれ者」と表現し、光が当たっていない層、たとえば在住外国人やシングルマザーなどへの気づきを起点に活動を展開するタイプだと述べました。

これに対し南氏は、地域の人々が大切にしてきたもの、たとえば豆腐づくりの歴史のようなものを起点に、そこに共感する人たちを巻き込みながら活動を広げていくタイプだといいます。

両氏は、どちらのアプローチが優れているというものではなく、地域性や個性によって入り口が異なるだけで、地域づくりには両方が必要であるという点で一致しました。


具体的な事例として、繁多川公民館では地域の自治会と相談しながら民俗学的な聞き取り講座を企画したところ、住民への聞き取りが3年間続きました。

その過程で、地域内で戦後多くの家庭が豆腐づくりを営んでいたこと、それが戦後復興を支える産業であったことが明らかになり、小学校の総合学習に発展。地域住民が先生役となって大豆栽培から豆腐づくりまでを行う恒例行事へと成長したとのことです。

この取り組みを通じて、定年退職後の男性が地域活動に関わるきっかけも生まれたと紹介されました。


若狭公民館では、地域に多い在住外国人やシングルマザーなど、公民館の講座に必ずしも来ていなかった層への働きかけが紹介されました。

子育て支援団体を通じて当事者団体と連携する取り組みや、在住外国人と地域住民が出会い理解し合う機会をつくる取り組みが、コロナ禍を経て支援活動として広がっていったといいます。


活動の進め方について、南氏は、確証が持てなくても「3割ほど見えたら試しにやってみる」という姿勢で公民館活動を一種の社会実験として捉えていると説明しました。

宮城氏は、気づいたことに対して「旗を立てる」というイメージで、まだ課題として認知されていないニーズを可視化する取り組みを重視していると述べました。


必要な人材や姿勢についても意見が交わされました。

南氏は、互いに言いたいことを言い合える関係性があれば、相談先を複数持つことでどうにかなると述べました。

宮城氏は「頼りなくあること」の大切さを挙げ、自分で抱え込まず素直に助けを求められる状態が、周囲の協力や新しいつながりを呼び込むと語りました。

また、気づいたことを発信するだけでなく、それを受け取っていない人まで巻き込んで連れてくる存在の重要性も指摘されました。


学びと活動の関係については、宮城氏が「学びと活動の循環」という言葉を挙げ、知識を蓄えてから活動に還元するというよりも、実際にアクションを起こす中で必要な学びが後から生まれてくると述べました。

課題はネガティブなものではなく取り組むべきことであり、解決というよりも次々と新しい課題へと展開していくものだという見方が示されました。

南氏は、小さなアクションを起こした経験を持つ人が、その経験を通じて地域環境をより良い方向に変えていく力になると述べ、コロナ禍では支援を受けた当事者自身が新たな担い手として動き出す様子が見られたと振り返りました。


今年3月に策定された「那覇市地域づくり推進方針」についても触れられました。

南氏は方針の中のコラムで繁多川公民館エリアの自治の実情を執筆したことを紹介し、宮城氏は、地域だけで頑張るのではなく行政とも協働しながら進めていく点が方針の重要なポイントだと述べました。

方針の概要版に掲載されている「新しい地域のつながりのイメージ」図について、宮城氏は自身が長年提唱してきた「ゆるやかなつながり」の考え方が採用されたものだと説明しました。

単一の地域組織への加入を前提とするのではなく、一人ひとりが興味や関心に応じて複数のコミュニティに緩やかに属し、それらが重なり合うことでセーフティネットとして機能するという考え方です。



近況と今後の展望

南氏は今年3月に繁多川公民館の館長を退任しましたが、指定管理者であるNPO法人1万人井戸端会議の代表理事は継続しており、引き続き公民館に顔を出しているとのことです。今後は、妊娠・出産や看取りなど、地域との関わりが薄くなりがちなライフステージにおいて、住み慣れたコミュニティで安心して関わり続けられる地域のあり方に取り組みたいと語りました。

宮城氏も同じく今年3月に若狭公民館の館長を退任し、一般社団法人まなびとまちとの代表として、なは市民協働大学院の企画運営に加え、那覇市の地域づくりコーディネーター業務を受託していることが報告されました。


公開講座は、なは市民協働大学院のプログラム紹介にとどまらず、修了生団体の具体的な活動事例と、公民館長として20年にわたり那覇の地域づくりに携わってきた両氏の対話を通じて、那覇における地域づくりの現在地を振り返る機会となりました。




なは市民協働大学院2026は、受講生を募集しています。
地域を楽しくしたい!という方は、ぜひお申し込みください!



なは市民協働大学院2026

申込締切:7月10日(金)まで

受講料:5,000円

定員:30名 ※応募多数の場合、申込内容等を勘案し選考します

申込:https://forms.gle/L2pXW4xHG2rxGHLe9

応募条件:

・那覇市在住・在勤・在学の18歳以上の方 
地域づくりや市民活動を実践している方 
・全講座に参加できる方



2026年6月12日金曜日

【受講生募集!】なは市民協働大学院2026

那覇市が主催する『なは市民協働大学院』、受講生の募集が開始しました!

『なは市民協働大学院』は、地域づくりに関わる人材の発掘・育成が目的で、『なは市民協働大学』の上級者編として位置付けられており、実際に地域で活動している方々を対象に、より実践的なプログラムで学んでいきます。

過去の受講生は、各まちづくり協議会の中心メンバーとして活躍されている方も多く、修了後もそのネットワークが活かされています。

地域をもっと楽しくしたい!解決したい課題がある!そういう方は、
ぜひ、お誘い合わせの上お申し込みください!






講座スケジュール

第1回講座

開講式・オリエンテーション

7月18日(土曜日)14時00分~17時00分

大学院交流会

交流会プログラム@ほしぞら公民館ホール

7月25日(土曜日)17時00分~20時00分

第2回講座

企画づくり強化合宿@森の家みんみん

講師:藤井晴彦(森の家みんみん)、稲垣暁・宮道喜一(災害プラットフォームおきなわ)

8月15日(土曜日)~8月16日(日曜日)

第3回講座

地域調査と分析・課題設定(深掘り)

講師:宮道喜一(災害プラットフォームおきなわ)

9月1日(火曜日)18時30分~21時00分

第4回講座

企画づくり(1)/不完全プランニングとプラスクリエイティブ

講師:永田宏和(デザイン・クリエイティブセンター神戸センター長)

9月15日(火曜日)18時30分~21時00分

第5回講座

企画づくり(2)&中間発表

講師:宮城潤(一般社団法人まなびとまちと代表)

9月29日(火曜日)18時30分~21時00分

相談会
10月13日(火曜日)18時30分~21時00分
第6回講座

共感を広げるコミュニティ・オーガナイジング

講師:安谷屋貴子(コミュニティ・オーガナイザー)

10月20日(火曜日)18時30分~21時00分

第7回講座

企画ブラッシュアップ/プレゼンのコツ

講師:石垣綾音(合同みるぶん共同代表)

11月10日(火曜日)18時30分~21時00分

自主ゼミ
11月24日(火曜日)18時30分~21時00分
第8回講座

最終成果発表会&修了式

12月13日(日曜日)14時00分~17時00分

※大学院交流会、合宿以外の講座は、なは市民協働プラザ2階 会議室(1)が会場となっております。


なは市民協働大学院2026

締切:7月10日(金)まで

受講料:5,000円

定員:30名 ※応募多数の場合、申込内容等を勘案し選考します

申込:https://forms.gle/L2pXW4xHG2rxGHLe9

応募条件:・那覇市在住・在勤・在学の18歳以上の方 

地域づくりや市民活動を実践している方 

・全講座に参加できる方



「なは市民協働大学院2026」開講に先立ち、公開講座を開催します。
公開講座は、受講無料、事前申込不要ですので、お気軽にご来場ください!



2026年6月9日火曜日

【2026|公開講座】那覇における地域づくりを考える(南信乃介 × 宮城潤)

 2026年度も「なは市民協働大学院」(以下、大学院)開講します!

那覇市が主催する地域づくりの人材育成を目的とした本講座は、那覇市(まちづくり協働推進課)と公募で選定された受託団体との協働で、企画運営しています。

今年度、なは市民協働大学院事業を受託したのは「一般社団法人まなびとまちと」です。
はじめまして。よろしくお願いします。

「まなびとまちと」は、立ち上がったばかりの団体ですが、代表の宮城は、2019年度から「なは市民協働大学院」の企画運営に携わっていますので、「はじめまして」という挨拶がピンと来ないかもしれませんが、今年度もどうぞよろしくお願いいたします。


さて、今年度も大学院の開講前に「公開講座」を開催します。

今年度の公開講座のテーマは、「那覇における地域づくりを考える」です。



公開講座 第1部は、

・なは市民協働大学院の概要説明

・OB/OG活動紹介およびディスカッション

です。


・なは市民協働大学院概要説明
では、講座の目的と具体的な取組等について説明します。

・OB/OG活動紹介およびディスカッション
では、大学院を修了した2チームの活動紹介と講座で学んだことや苦労したことを共有します。

活動紹介とパネルディスカッションを行うのは、以下の2チーム

・ミネコヤ(2023,2024修了生)

・真和志well-being(2025修了生)


第2部は、一万人井戸端会議代表の南信乃介さんとまなびとまちとの宮城とのトークです。
全体を通して司会・進行を務める石垣綾音さんが聞き役になって会を進めていきます。

OB/OGの発表とディスカッションを受けて、今、那覇で求められる地域づくりについて考えていきます。

地域づくりや市民協働について関心のある方、ぜひご参加ください!


<登壇者・発表チーム紹介>

南信乃介|NPO法人1万人井戶端会議 代表理事前・繁多川公⺠館 館⻑

那覇市出身。京都精華大学環境社会学科で市⺠参加まちづくりの基礎を学ぶ。2007年NPO法人なはまちづくりネット入会、2009年より公⺠館リーダーとして繁多川公⺠館に携わる。同館は文部科学大臣優良公⺠館表彰、地域再生大賞優秀賞、朝日教育のびのび賞などを受賞。2014年 NPO法人1万人井戶端会議を設立、2015年より同公⺠館指定管理者。2026年3月まで館⻑を務めた。エジプトに日本の公⺠館をつくる活動や、話題作『公⺠館のしあさって』の企画・発刊で全国に新しいトレンドを生み出した。沖縄県社会教育委員、日本 NPOセンター評議員ほか歴任。


宮城 潤|一般社団法人まなびとまちと 代表理事/前・若狭公⺠館 館⻑

1972年沖縄県生まれ。沖縄県立芸術大学大学院修了。2001年NPO法人前島アートセンター設立に参画し、初代理事⻑としてアートによるまちづくりを牽引。都市型アートイベント「Wanakio」を企画。2006年より若狭公⺠館に勤務、2015年から2026年3月まで指定管理者の館⻑を務める。2017年文部科学省「優良公⺠館表彰」で全国約1万4千館中の最優秀館に選出、2019年地域再生大賞優秀賞、2022年度国際交流基金「地球市⺠賞」を受賞。現在は「アート×社会教育」をテーマに、地域づくり・芸術文化振興・人材育成に取り組む団体「まなびとまちと」を立ち上げ代表を務める。文科省中央教育審議会生涯学習分科会委員、沖縄振興計画学術・人づくり部会委員のほか、那覇市では協働によるまちづくり推進審議会、文化行政審議会等の委員を歴任。


石垣 綾音|合同会社みるぶん 共同代表/国際ファシリテーター協会認定プロフェッショナルファシリテーター (CPF)

「人と土地をつなぐ、コミュニティをエンパワメントする」をモットーに、防災・教育・食文化・歴史・観光など多分野で市⺠のパブリックマインド醸成に取り組む。ハワイ大学で都市計画を学んだ後、コミュニティ支援会社株式会社さびらに参画し、公共交通・防災・福祉・観光分野のワークショップ設計と伴走支援を実践。現在は合同会社「みるぶん」共同代表。国際基準のファシリテーション資格(IAF-CPF)を持ち、行政と市⺠、企業とNPO を橋渡ししながら合意形成を促す。琉球大学で地域調査演習を担当。2019 年からなは市⺠協働大学院のファシリテーターとして受講生をサポートしている。


ミネコヤ|2023,2024修了生

ミネコヤは石嶺地域を拠点に、子どもを中心とした活動を通して人や活動をつなぎ、誰もが自分らしく地域と関われるウェルビーイングなまちを目指す市民活動団体です。


真和志well-being|2026修了生

真和志小学校区における登校時の車送迎による交通混雑や安全面の課題に対して、徒歩登下校が楽しくなる「Let's てくてく登下校」を企画、推進しています。



【なは市民協働大学院2026|公開講座】

日時:6月21日(日)14:00-17:00
会場:なは市民活動支援センター 会議室①
参加費:無料(申し込み不要)


<お問い合わせ>

一般社団法人まなびとまちと
TEL:090-6861-6848
E-MAIL:78daigakuin@gmail.com

那覇市まちづくり協働推進課
TEL:098-861-3846
FAX:098-861-3126


※「なは市民協働大学院2026」は、WEBフォームでの申し込みを受け付けています。

https://forms.gle/L2pXW4xHG2rxGHLe9



なは市民協働大学院2025 第8回 成果発表会&修了式



なは市民協働大学院
2025|第8回 成果発表会&修了式

7月から約半年間、受講生たちは地域を歩き、声を聴き、課題を見つめ、仲間と企画を磨いてきました。

最終回となる成果発表会では、那覇のまちに新しい“ワクワク”を生み出す実践的なアイデアが次々に発表されました。

会場には市長や関係者、OB、一般参加者も集い、あたたかな応援と対話の時間となりました。



なは市民協働大学院とは


那覇市主催のもと、NPO法人地域サポートわかさ/災害プラットフォーム沖縄が共同で企画運営する人材育成プログラムです。

目的は、地域課題の解決に向けた動きを促す人材を発掘・育成し、修了後に地域コミュニティの担い手として活躍していくこと。


キーワードは「じっくり・しっかり・ちゃっかり」

じっくり:虫の目で地域を観察し、現状把握と“隠れた課題”を見つける

しっかり:実現可能な企画へ落とし込み、実行に向けて仲間を巻き込む

ちゃっかり:課題に向き合いつつも、楽しみながら仲間を増やしていく


「早く行きたければ1人で行け。遠くへ行きたければみんなで行け」

協働・役割分担を大切にしながら、企画を“実現”へ近づけていく半年でした。



半年間の歩み(ダイジェスト)


公開講座を経て、全8回の講座+自主ゼミ等を実施。

地域調査、課題設定、企画づくり、合宿でのチームビルディング、コミュニティオーガナイジング、実現性を高める相談会、そして最終発表へ。



成果発表:地域に根ざした“実装プラン”が勢揃い



① 新都心・新都心チーム

テーマ:新都心のリアルな声を聴き、つながりを育てる「スイーツまつりあいのりカフェ〜新都心のリアルな話聞いてみた〜」



課題意識:地域のつながりの弱さ/自治会加入率の低さ

調査:公園でのアンケートは苦戦→包括支援センターへヒアリング

発見:新都心の高齢者の約6割が市営住宅、日常の困りごと(電球交換など)相談が多い一方、近隣に頼れない状況も。

方向性:世代間交流のきっかけづくり/“楽しいこと”から自然に人が集まる仕掛けへ


実践:イベントに相乗りしてアンケート実施(13名回答、うち新都心住民6名)。

「つながりたい」気持ちは全員が持っていたことが希望に。

今後:地域での“定期的なお祭り”を継続し、次回は受け皿(オープンチャット等)も整備して継続的なつながりへ。



② 真和志①・真和志Wellbeing


テーマ:歩いて通学が楽しくなる!「Let'sてくてく登下校」


課題:車送迎による通学時の渋滞、安全面の懸念、地域負担

キーワード:「テクテク(歩く)」×「ワクワク」

企画:学校のキャラクター「マッピー」を活用し、“強制ではなく、楽しく歩きたくなる環境”を地域主体で整える。


根拠:他地域の先行事例では登校率が68%→96%へ改善した例も。

朝の歩行は血流改善・集中力向上、生活習慣の定着などの効果も示唆。


計画(段階的)

今年度:アンケートで現状把握/PR動画/見守りボランティア募集

来年度以降:学年別に“歩くをゲーム化”した企画(色探し、挨拶ポイント、通学路新聞、環境パトロール隊など)

将来:近隣校へ展開



首里①・ゆいまーるの森


テーマ:「つながる防災ゆいまーる」助け合える“人間の森”づくり(防災×地域交流)


出発点:災害時、1km避難でも人によって所要時間は大きく違う。

坂が多い地域、危険箇所の把握が難しい新住民、支援が届きにくい場所…

「避難が間に合わない人が出やすい地域」という課題認識へ。


モデル化(Aさん/Bさん)

Aさん:転入高齢者、独居、自治会未加入など情報が届きにくく避難困難

Bさん:地域をよく知るアクティブシニア(力を活かしたい層)

→ 日常の交流の中で“支援できる人”を増やし、必要な人へつなぐ。


取り組み:包括支援センターや公民館等と連携し、防災ワークショップを実施。

今後:交流→疑似体験(車椅子、暗闇など)→要支援者の把握→個別避難計画へ。

来年2月頃からの始動を目指す。



④ 真和志②・パッション栄町・大道チーム


テーマ:(酒場×ポケカ)昼の栄町市場を“親子の居場所”へ


調査(大道小周辺 約50名)

栄町のイメージが100%「夜の繁華街」に偏っている

治安不安 75%、子どもの遊び場不足 約6割

栄町市場で子どもを遊ばせたくない 約8割


発見:市場側は朝市・買い物ツアー等、取り組み多数。しかし周知不足。

打ち手:親子が自然に足を運ぶ導線として「ポケモンカード大会」を開催。

子ども:ポケカ大会

大人:達人案内の買い物ツアー

→ “楽しい体験”が口コミで広がり、地域イメージも少しずつ変わる。


決定事項来年1/17 大会開催が決定(会場にチラシ配布)。



⑤ 中心市街地・まちなかつながるプロジェクト


テーマ:「シェアするご近所掲示板「ご近所シェアるん♪(LINEオープンチャット)」


仮説:中心市街地はコミュニケーションが“希薄化”している

背景:子どものいない世帯増、自治会加入率低下(中心市街地 約5.3%)、賃貸共同住宅増

調査(マンション掲示板等でシール投票):

「程よいご近所付き合いが必要」 92%

「イベント情報を事前に知りたい」 92%


提案:ご近所るん 3つの機能

1. イベントシェアルン:準堂・ナハート等がイベント情報を配信

2. おゆずりシェアルン:ジモティ等と連動し、譲り合いを“つながりのきっかけ”に

3. お得シェアルン:地域スーパー等に協賛(例:月額5,000〜10,000円)→チラシ情報を届かせる


普及策:掲示板・エレベーターにQR、街中同時開催の「シェアルンマルシェ」、開かれたタウンホールミーティング。



⑥ 小禄・チームたからじま


テーマ:伝統食“ムーチー”で世代をつなぐ「ムーチー de Let's 厄ばらい」


地域の現状:世帯数は増えているが、自治会活動の担い手は高齢化。共働き・賃貸世帯が参加しにくい。

企画:自治会の台所付き施設でムーチー作り。

地域の料理上手な高齢者に先生役になってもらう

月桃(ゲットウ)の葉は地域に自生するものを調査し、地図化して安全に採取

中学生の参加を促し、SDGsパスポート等も活用

蒸し時間に「宝クイズ」「由来の読み聞かせ」「月桃クラフト」などで多世代が楽しめる設計


費用:参加費目安 1人300円(自治会財源の背景も踏まえ、持続可能な形へ)



⑦首里②・team3/4


テーマ:「まるごとつながる居場所プロジェクト」


課題意識:

支援制度の対象にはならないものの、家庭や学校で困りごとを抱える“グレーゾーン”の子どもと家族が、地域の中で孤立してしまうケースがある。


調査・整理:

先生へのアンケートや地域のヒアリングを通して、支援が届きにくい背景として

・人手不足

・安心して過ごせる場所の不足

・気軽に相談できる関係性の不足

といった課題が浮かび上がった。


取り組み:

地域の安心して過ごせる場所をまとめた「居場所マップ」を作成し、子どもや保護者が気軽に立ち寄れる環境づくりを検討。

さらに、家族同士が出会い交流できる場をつくり、孤立を防ぐ仕組みづくりを目指す。


今後:

居場所マップの活用と交流イベントの開催を通じて、家庭・学校・地域がゆるやかにつながる環境を整備。

個別の支援だけでなく、地域全体で子どもと家族を支える面での支援モデルの構築を目指す。




企画は「発表して終わり」ではなく、ここからがスタートです。


半年間の学びで得たのは、課題を見つける目と、仲間と形にする力、そして地域をもっと好きになる実感ではないでしょうか。


なは市民協働大学院は、これからも“じっくり・しっかり・ちゃっかり”地域と向き合い、動き続ける人を応援していきます。