2026年6月9日火曜日

なは市民協働大学院2025 第8回 成果発表会&修了式



なは市民協働大学院
2025|第8回 成果発表会&修了式

7月から約半年間、受講生たちは地域を歩き、声を聴き、課題を見つめ、仲間と企画を磨いてきました。

最終回となる成果発表会では、那覇のまちに新しい“ワクワク”を生み出す実践的なアイデアが次々に発表されました。

会場には市長や関係者、OB、一般参加者も集い、あたたかな応援と対話の時間となりました。



なは市民協働大学院とは


那覇市主催のもと、NPO法人地域サポートわかさ/災害プラットフォーム沖縄が共同で企画運営する人材育成プログラムです。

目的は、地域課題の解決に向けた動きを促す人材を発掘・育成し、修了後に地域コミュニティの担い手として活躍していくこと。


キーワードは「じっくり・しっかり・ちゃっかり」

じっくり:虫の目で地域を観察し、現状把握と“隠れた課題”を見つける

しっかり:実現可能な企画へ落とし込み、実行に向けて仲間を巻き込む

ちゃっかり:課題に向き合いつつも、楽しみながら仲間を増やしていく


「早く行きたければ1人で行け。遠くへ行きたければみんなで行け」

協働・役割分担を大切にしながら、企画を“実現”へ近づけていく半年でした。



半年間の歩み(ダイジェスト)


公開講座を経て、全8回の講座+自主ゼミ等を実施。

地域調査、課題設定、企画づくり、合宿でのチームビルディング、コミュニティオーガナイジング、実現性を高める相談会、そして最終発表へ。



成果発表:地域に根ざした“実装プラン”が勢揃い



① 新都心・新都心チーム

テーマ:新都心のリアルな声を聴き、つながりを育てる「スイーツまつりあいのりカフェ〜新都心のリアルな話聞いてみた〜」



課題意識:地域のつながりの弱さ/自治会加入率の低さ

調査:公園でのアンケートは苦戦→包括支援センターへヒアリング

発見:新都心の高齢者の約6割が市営住宅、日常の困りごと(電球交換など)相談が多い一方、近隣に頼れない状況も。

方向性:世代間交流のきっかけづくり/“楽しいこと”から自然に人が集まる仕掛けへ


実践:イベントに相乗りしてアンケート実施(13名回答、うち新都心住民6名)。

「つながりたい」気持ちは全員が持っていたことが希望に。

今後:地域での“定期的なお祭り”を継続し、次回は受け皿(オープンチャット等)も整備して継続的なつながりへ。



② 真和志①・真和志Wellbeing


テーマ:歩いて通学が楽しくなる!「Let'sてくてく登下校」


課題:車送迎による通学時の渋滞、安全面の懸念、地域負担

キーワード:「テクテク(歩く)」×「ワクワク」

企画:学校のキャラクター「マッピー」を活用し、“強制ではなく、楽しく歩きたくなる環境”を地域主体で整える。


根拠:他地域の先行事例では登校率が68%→96%へ改善した例も。

朝の歩行は血流改善・集中力向上、生活習慣の定着などの効果も示唆。


計画(段階的)

今年度:アンケートで現状把握/PR動画/見守りボランティア募集

来年度以降:学年別に“歩くをゲーム化”した企画(色探し、挨拶ポイント、通学路新聞、環境パトロール隊など)

将来:近隣校へ展開



首里①・ゆいまーるの森


テーマ:「つながる防災ゆいまーる」助け合える“人間の森”づくり(防災×地域交流)


出発点:災害時、1km避難でも人によって所要時間は大きく違う。

坂が多い地域、危険箇所の把握が難しい新住民、支援が届きにくい場所…

「避難が間に合わない人が出やすい地域」という課題認識へ。


モデル化(Aさん/Bさん)

Aさん:転入高齢者、独居、自治会未加入など情報が届きにくく避難困難

Bさん:地域をよく知るアクティブシニア(力を活かしたい層)

→ 日常の交流の中で“支援できる人”を増やし、必要な人へつなぐ。


取り組み:包括支援センターや公民館等と連携し、防災ワークショップを実施。

今後:交流→疑似体験(車椅子、暗闇など)→要支援者の把握→個別避難計画へ。

来年2月頃からの始動を目指す。



④ 真和志②・パッション栄町・大道チーム


テーマ:(酒場×ポケカ)昼の栄町市場を“親子の居場所”へ


調査(大道小周辺 約50名)

栄町のイメージが100%「夜の繁華街」に偏っている

治安不安 75%、子どもの遊び場不足 約6割

栄町市場で子どもを遊ばせたくない 約8割


発見:市場側は朝市・買い物ツアー等、取り組み多数。しかし周知不足。

打ち手:親子が自然に足を運ぶ導線として「ポケモンカード大会」を開催。

子ども:ポケカ大会

大人:達人案内の買い物ツアー

→ “楽しい体験”が口コミで広がり、地域イメージも少しずつ変わる。


決定事項来年1/17 大会開催が決定(会場にチラシ配布)。



⑤ 中心市街地・まちなかつながるプロジェクト


テーマ:「シェアするご近所掲示板「ご近所シェアるん♪(LINEオープンチャット)」


仮説:中心市街地はコミュニケーションが“希薄化”している

背景:子どものいない世帯増、自治会加入率低下(中心市街地 約5.3%)、賃貸共同住宅増

調査(マンション掲示板等でシール投票):

「程よいご近所付き合いが必要」 92%

「イベント情報を事前に知りたい」 92%


提案:ご近所るん 3つの機能

1. イベントシェアルン:準堂・ナハート等がイベント情報を配信

2. おゆずりシェアルン:ジモティ等と連動し、譲り合いを“つながりのきっかけ”に

3. お得シェアルン:地域スーパー等に協賛(例:月額5,000〜10,000円)→チラシ情報を届かせる


普及策:掲示板・エレベーターにQR、街中同時開催の「シェアルンマルシェ」、開かれたタウンホールミーティング。



⑥ 小禄・チームたからじま


テーマ:伝統食“ムーチー”で世代をつなぐ「ムーチー de Let's 厄ばらい」


地域の現状:世帯数は増えているが、自治会活動の担い手は高齢化。共働き・賃貸世帯が参加しにくい。

企画:自治会の台所付き施設でムーチー作り。

地域の料理上手な高齢者に先生役になってもらう

月桃(ゲットウ)の葉は地域に自生するものを調査し、地図化して安全に採取

中学生の参加を促し、SDGsパスポート等も活用

蒸し時間に「宝クイズ」「由来の読み聞かせ」「月桃クラフト」などで多世代が楽しめる設計


費用:参加費目安 1人300円(自治会財源の背景も踏まえ、持続可能な形へ)



⑦首里②・team3/4


テーマ:「まるごとつながる居場所プロジェクト」


課題意識:

支援制度の対象にはならないものの、家庭や学校で困りごとを抱える“グレーゾーン”の子どもと家族が、地域の中で孤立してしまうケースがある。


調査・整理:

先生へのアンケートや地域のヒアリングを通して、支援が届きにくい背景として

・人手不足

・安心して過ごせる場所の不足

・気軽に相談できる関係性の不足

といった課題が浮かび上がった。


取り組み:

地域の安心して過ごせる場所をまとめた「居場所マップ」を作成し、子どもや保護者が気軽に立ち寄れる環境づくりを検討。

さらに、家族同士が出会い交流できる場をつくり、孤立を防ぐ仕組みづくりを目指す。


今後:

居場所マップの活用と交流イベントの開催を通じて、家庭・学校・地域がゆるやかにつながる環境を整備。

個別の支援だけでなく、地域全体で子どもと家族を支える面での支援モデルの構築を目指す。




企画は「発表して終わり」ではなく、ここからがスタートです。


半年間の学びで得たのは、課題を見つける目と、仲間と形にする力、そして地域をもっと好きになる実感ではないでしょうか。


なは市民協働大学院は、これからも“じっくり・しっかり・ちゃっかり”地域と向き合い、動き続ける人を応援していきます。