2025年7月24日木曜日

【レポート】公開講座|「活動の“種”をまこう!」 ──なは市民協働大学院2025 公開講座開催!

2025年6月29日(日)14:00-17:00

場所:なは市民協働プラザ2F なは市民活動支援センター 会議室①

参加者:一般参加者・チアーズ含め約50名


なは市民協働大学院2025の開講に先立ち、毎年恒例となっている「公開講座」が2025年6月29日(日)、なは市民協働プラザにて開催されました。


本講座は、地域づくりに関心のある市民や受講を検討中の方、修了生、地域活動を実践するOB・OGが一堂に集まり、実践知の共有と学び合いの場として位置づけられています。


公開講座のタイトルは『地域課題×活動の魅力 〜不完全プランニングと+クリエイティブ〜』。ゲスト講師による講話と修了生の実践報告、参加者同士のディスカッションと交流を通じて、「地域で動き出すきっかけ」をつかむ場となりました。



地域づくりに必要なのは、“不完全”な企画?


ゲストにお迎えしたのは、KIITO(デザイン・クリエイティブセンター神戸)センター長であり、プラスアーツ理事長の永田宏和さん。

             


2019年度から毎年、なは市民協働大学院の講師を務めており、那覇市とのご縁も深い方です。


永田さんは、行政職でも研究者でもなく、自身を「企画屋」「活動家」と表現。地域課題に対し、専門知とクリエイティブな発想で“活動の種”をつくり、全国各地で市民活動を支援しています。

  

今回の講演で提示された2つのキーワードは、

「俯瞰」の視点を持つこと

「不完全プランニング」で人を巻き込むこと

           


俯瞰とは?


地域や支援対象者だけでなく、その周囲にいる潜在的パートナー(学校、商店、福祉団体など)に目を向ける視点。また、活動を一回きりのゴールではなく、「その後にどんな広がりや育成が生まれるか」という時間軸での構想も大切だと語られました。

              


不完全プランニングとは?


あえて余白を残した企画にすることで、地域の人々が“ちょっと手を貸したくなる”状況を生み出すこと。完璧に仕上げすぎず、関わりしろを残すことが、住民の主体性や協働のきっかけになります。


紹介された事例の一部

《イザ!カエルキャラバン!》:防災訓練とおもちゃ交換会を融合し、家族参加型イベントに発展

《パン爺》:退職後の高齢男性がパンづくりを通じて地域に関わるモデル事業

《ちびっこうべ》:子どもたちが仮想の「まち」をつくって運営するキャリア教育プログラム


また、「風・水・土・種」という比喩で地域づくりの役割分担が紹介されました。

         

風の人=企画の種をまく人(外部支援者・専門家)
水の人=種を育てる人(地域プレイヤー)

土の人=地域の暮らしに根ざした住民

種=活動や行事             

「今、地域の“土”が痩せてきている」と永田さん。だからこそ、“風”と“水”が連携し、活動を根づかせていく仕組みが重要だと強調されました。          



「じっくり・しっかり・ちゃっかり」


──学びから実践へつなぐ市民の学び舎


続いて、事務局の宮城(NPO法人地域サポートわかさ)より、なは市民協働大学院の概要とカリキュラムの紹介が行われました。

   


本大学院は、「地域の課題を自分ごととして捉え、他者と協働しながら企画をカタチにできる人材=“コーディネーター的人材”」を育成する市民向けの実践型プログラムです。


               

コンセプトは3つのキーワード:

じっくり:地域の現状を知り、課題を発見する力

しっかり:企画に落とし込み、行動へと移す力

ちゃっかり:楽しみながら人を巻き込み、つながりを広げる

              

講座は全8回にわたって開催され、地域調査、企画づくり、プレゼン、フィードバックを通して、実践力を高めていきます。

               


修了生のリアルボイス


──地域で芽吹いた“やってみた”の実例


講座後半では、修了生2チームによる地域活動の報告が行われました。


▶︎ 夕陽をみる会(2024年度修了)

   

那覇市西の「三重城海岸」の美しさに感動した移住者の思いがキッカケとなって立ち上げたプロジェクト。

アンケートやチラシで地域ニーズを丁寧に調査

ラジオ体操や夕陽・星・月観賞会など、多世代が参加できる工夫を凝らした取り組み

「行政目線から市民目線に切り替わった」という発表者の気づきが印象的でした

              



▶︎ たのしむぞ!06(2023年度修了)

   

「防災を“楽しく”学べる場に」という思いからスタートしたプロジェクト。中高生を中心に巻き込みながら、

公園のベンチのペンキ塗り → 餅つき → 夏祭り → 《リッカ!ヤールーキャラバン!》へと発展

SDGsパスポートや高校入試での地域活動評価制度をうまく活用し、若者の参加を促進

「最初は宗教団体と間違われた」と笑いながら語られる場面も


               



活動継続のヒントは、“余白”と“遊び心”


後半のディスカッションでは、参加者から活動の継続性、仲間との関係性、モチベーション維持に関するリアルな悩みや気づきが共有されました。


永田さんは、


「失敗なんてない。課題が見つかったと思えばいい」

「無理せず、自分たちのペースで“ゆるく続ける”ことが何より大事」


とやさしく背中を押してくれました。


また、「夕陽をみる会」のイベントで悪天候による会場変更時の情報不足に対して、参加者が“あえての苦情”を投げかける場面もあり、信頼の上に成り立つ建設的な愛あるフィードバックのあり方に、会場からも笑いと共感の声が上がりました。




「やってみたい」の一歩を、この夏から


イベントの最後には、那覇市協働大使による交流会「ゆんたく会」が開催され、参加者同士が立場や世代を超えて交流。会場のあちこちで新たな出会いや会話が生まれていました。

   



🎓 なは市民協働大学院2025 開講!


2025年度の講座は、7月12日(土)〜12月まで開催します!

おかげさまで、募集定員を超えるお申し込みをいただきました。



「自分にもできることがあるかもしれない」

「地域のために、何か始めてみたい」


そんな想いが芽生えた方へ。

あなたの“やってみたい”を育てましょう!



🎥 当日の様子はSNS・YouTubeでも公開中!

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▶ 当日スライド資料リンク

https://drive.google.com/file/d/1yhasN5ke652kq40DwG3DMOmH1vtdbupY/view?usp=sharing