2025年7月24日木曜日

【レポート】第1回講座 |「“じっくり・しっかり・ちゃっかり”な学びがスタート!」2025年度 なは市民協働大学院開講!

2025年7月12日(土) 14:00-17:00

場所:なは市民協働プラザ

参加者:受講生25名、チアーズ8名

なは市民協働大学院の第1回講座「開講式・オリエンテーション」が2025年7月12日(土)、なは市民協働プラザにて開催されました。今年度は32名の受講生が集い、多様な世代・職業・地域背景をもった市民たちが、それぞれの想いを胸に「地域を変える学びと実践の旅」へと踏み出しました。




開講のご挨拶「コーディネーター的人材の育成へ」


開会のあいさつでは学長の知念覚市長より、「地域の現状を見つめ、課題を見つけ、人や資源をつないで行動を起こす力=コーディネーター的人材」の重要性が語られました。


なは市民協働大学院では、「じっくり=課題設定力」「しっかり=企画力」「ちゃっかり=コーディネート力」を3本柱とし、地域の未来を担う人材育成に取り組んでいます。



プログラム概要「実践者を育てる8回構成」


事務局からは講座の全体像や進行スケジュールが紹介されました。調査・課題設定・企画立案・合宿・プレゼン発表までを網羅した8回構成。


中でも「森の家みんみん」での合宿や、地域の実践者を招いたゲスト講座、実地調査に基づくアクションプランの作成など、座学にとどまらない“地域で学ぶ”設計が特色です。



応援団“チアーズ”登場!頼れる卒業生たち


本講座の名物サポーターが、卒業生による応援団「チアーズ」。今年度はチアリーダーの照屋りささんをはじめ、経験豊かでユーモアあふれるメンバーが登場しました。


「老体にムチ打って頑張ります!」「女将として皆さんを見守ってます!」など、個性豊かな軽快な自己紹介に会場は笑いと拍手に包まれ、チアーズメンバーで身体を張って花を表現する場面もあり、初対面ながら一気に緊張がほぐれる時間に。



それぞれ異なる卒業年度・実践経験を持ち、受講生と年齢が近いチアもいれば、地域活動のベテランも在籍する多様な応援団です。チアーズは、各チームに入り、講座中の相談役や実践的なアドバイザーとして寄り添ってくれます。


「かつて自分たちも悩んだからこそ、今の皆さんに寄り添いたい」——そんな想いが伝わってきました。



事務局紹介「受講生の挑戦に伴走する存在」


本講座の運営は、NPO法人地域サポートわかさ、災害プラットフォームおきなわ、那覇市役所による多機関連携で構成されています。講座設計から、受付対応、記録、広報、オンラインサポートまで、受講生の学びに伴走する“縁の下の力持ち”として尽力しています。


「困ったときは、遠慮なく連絡してくださいね!」「どんな小さなことでも気軽に相談を」——事務局メンバーからの温かい言葉が、受講生の不安をやさしく包んでいました。



協働マインドとは?「一人じゃないから挑戦できる」


資料にも掲載されている“協働マインド”とは、地域と向き合う上で必要不可欠な姿勢です。


お互いの違いを受け入れ、得意や関心を活かして補い合いながら進んでいく。講座を通して、受講生たちは自然とこの力を体得していきます。


ともに悩み、ともに笑い、時には意見をぶつけ合いながら、本当の“協働”が生まれていく——そんな学びの土壌が、今年もここに育まれていきます。



自己紹介&アイスブレイク「初日から一体感!」


自己紹介タイムでは、自治会役員、福祉関係者、保育士、学生、メディア関係者など多彩な受講生が、自分の背景や「地域に関わりたい理由」を語りました。


続くアイスブレイクでは「夏は山派?海派?」「戻るなら小・中・高どれ?」といったユニークな質問に、左右へ動いて答える身体を使ったアクティビティを実施。笑い声と拍手が飛び交い、緊張が一気にほぐれるひとときとなりました。


「今日が初対面なのに、もうチームみたい!」という声もあがるほど、温かい空気が会場を包んでいました。



OB・OGによる実践報告「ミネコヤの挑戦」


今年度の卒業生発表では、首里石嶺地域で「ミネコヤ」という居場所づくりに取り組むOGグループが登壇。


受講生時代に出会った仲間と共に、学びを活かして団体を立ち上げ、助成金を活用して地域拠点を運営。子ども食堂、ワークショップ、異世代交流などを展開し、「誰でも気軽に立ち寄れる場」として地域に根づいています。


「学びが行動につながった」「仲間がいたから挑戦できた」という実感のこもった言葉に、受講生たちも深く頷いていました。




チーム発表&決意表明「地域別の第一歩」


受講生は活動したい地域ごとに6チームに分かれ、初回から意気込みたっぷりのチーム紹介を発表!


🌿【首里(末吉)チーム】

自然と歴史を活かし、「人とのふれあい」や「多世代交流」をキーワードに、温かくもゆるやかな調和を大切にするチーム。


🏫【真和志(南)チーム】

教育機関の集積を活かし、若者や子どもを中心とした“つながり”の再構築へ。地域課題に丁寧に向き合う姿勢が光りました。


🏙【新都心チーム】

行動力と元気が自慢!都市型の暮らしに、もっと人のぬくもりを。スピード感ある動きに注目です。


🌎【中心市街地チーム】

観光客・移住者・地元民が混ざり合う地域で、「混ざって還元する」まちづくりを発信力豊かに表現。カチャーシーも飛び出しました!


👶【首里(子ども関係)チーム】

保育・教育の専門家が揃い、子どもや家庭に寄り添う地域支援を展開予定。「3/4の伸びしろ」を掲げて、今後の進化に期待。


🌇【真和志(北)チーム】

鹿児島・高知・徳島・沖縄と“あったか県出身者”が集い、「地域資源を未来へつなぐ」まちづくりへ。LRT構想にも関心を寄せています。



“ここまで初回で一体感があるのは初めて”——歴代事務局も驚くチーム力!


初回とは思えないほど、互いを尊重し合い、笑顔でサポートし合う姿が随所に見られました。講座終了後には、「今年のチームは、過去一の安心感がある」「すでに“チームでいることの心地よさ”が育まれている」というチアーズや事務局の声も。


このチームで、どんな物語が始まっていくのか——これからの8回講座がますます楽しみです。



いよいよ本格スタートへ!


次回は、7月29日(火)に第2回講座「地域調査と分析・課題設定」を実施予定。各チームが実際に地域に足を運び、今ある課題に向き合っていきます。


仲間と共に挑む協働の冒険が、ついに本格的に動き出します。那覇の未来を切り拓く学びの旅は、ここから始まります。




【レポート】公開講座|「活動の“種”をまこう!」 ──なは市民協働大学院2025 公開講座開催!

2025年6月29日(日)14:00-17:00

場所:なは市民協働プラザ2F なは市民活動支援センター 会議室①

参加者:一般参加者・チアーズ含め約50名


なは市民協働大学院2025の開講に先立ち、毎年恒例となっている「公開講座」が2025年6月29日(日)、なは市民協働プラザにて開催されました。


本講座は、地域づくりに関心のある市民や受講を検討中の方、修了生、地域活動を実践するOB・OGが一堂に集まり、実践知の共有と学び合いの場として位置づけられています。


公開講座のタイトルは『地域課題×活動の魅力 〜不完全プランニングと+クリエイティブ〜』。ゲスト講師による講話と修了生の実践報告、参加者同士のディスカッションと交流を通じて、「地域で動き出すきっかけ」をつかむ場となりました。



地域づくりに必要なのは、“不完全”な企画?


ゲストにお迎えしたのは、KIITO(デザイン・クリエイティブセンター神戸)センター長であり、プラスアーツ理事長の永田宏和さん。

             


2019年度から毎年、なは市民協働大学院の講師を務めており、那覇市とのご縁も深い方です。


永田さんは、行政職でも研究者でもなく、自身を「企画屋」「活動家」と表現。地域課題に対し、専門知とクリエイティブな発想で“活動の種”をつくり、全国各地で市民活動を支援しています。

  

今回の講演で提示された2つのキーワードは、

「俯瞰」の視点を持つこと

「不完全プランニング」で人を巻き込むこと

           


俯瞰とは?


地域や支援対象者だけでなく、その周囲にいる潜在的パートナー(学校、商店、福祉団体など)に目を向ける視点。また、活動を一回きりのゴールではなく、「その後にどんな広がりや育成が生まれるか」という時間軸での構想も大切だと語られました。

              


不完全プランニングとは?


あえて余白を残した企画にすることで、地域の人々が“ちょっと手を貸したくなる”状況を生み出すこと。完璧に仕上げすぎず、関わりしろを残すことが、住民の主体性や協働のきっかけになります。


紹介された事例の一部

《イザ!カエルキャラバン!》:防災訓練とおもちゃ交換会を融合し、家族参加型イベントに発展

《パン爺》:退職後の高齢男性がパンづくりを通じて地域に関わるモデル事業

《ちびっこうべ》:子どもたちが仮想の「まち」をつくって運営するキャリア教育プログラム


また、「風・水・土・種」という比喩で地域づくりの役割分担が紹介されました。

         

風の人=企画の種をまく人(外部支援者・専門家)
水の人=種を育てる人(地域プレイヤー)

土の人=地域の暮らしに根ざした住民

種=活動や行事             

「今、地域の“土”が痩せてきている」と永田さん。だからこそ、“風”と“水”が連携し、活動を根づかせていく仕組みが重要だと強調されました。          



「じっくり・しっかり・ちゃっかり」


──学びから実践へつなぐ市民の学び舎


続いて、事務局の宮城(NPO法人地域サポートわかさ)より、なは市民協働大学院の概要とカリキュラムの紹介が行われました。

   


本大学院は、「地域の課題を自分ごととして捉え、他者と協働しながら企画をカタチにできる人材=“コーディネーター的人材”」を育成する市民向けの実践型プログラムです。


               

コンセプトは3つのキーワード:

じっくり:地域の現状を知り、課題を発見する力

しっかり:企画に落とし込み、行動へと移す力

ちゃっかり:楽しみながら人を巻き込み、つながりを広げる

              

講座は全8回にわたって開催され、地域調査、企画づくり、プレゼン、フィードバックを通して、実践力を高めていきます。

               


修了生のリアルボイス


──地域で芽吹いた“やってみた”の実例


講座後半では、修了生2チームによる地域活動の報告が行われました。


▶︎ 夕陽をみる会(2024年度修了)

   

那覇市西の「三重城海岸」の美しさに感動した移住者の思いがキッカケとなって立ち上げたプロジェクト。

アンケートやチラシで地域ニーズを丁寧に調査

ラジオ体操や夕陽・星・月観賞会など、多世代が参加できる工夫を凝らした取り組み

「行政目線から市民目線に切り替わった」という発表者の気づきが印象的でした

              



▶︎ たのしむぞ!06(2023年度修了)

   

「防災を“楽しく”学べる場に」という思いからスタートしたプロジェクト。中高生を中心に巻き込みながら、

公園のベンチのペンキ塗り → 餅つき → 夏祭り → 《リッカ!ヤールーキャラバン!》へと発展

SDGsパスポートや高校入試での地域活動評価制度をうまく活用し、若者の参加を促進

「最初は宗教団体と間違われた」と笑いながら語られる場面も


               



活動継続のヒントは、“余白”と“遊び心”


後半のディスカッションでは、参加者から活動の継続性、仲間との関係性、モチベーション維持に関するリアルな悩みや気づきが共有されました。


永田さんは、


「失敗なんてない。課題が見つかったと思えばいい」

「無理せず、自分たちのペースで“ゆるく続ける”ことが何より大事」


とやさしく背中を押してくれました。


また、「夕陽をみる会」のイベントで悪天候による会場変更時の情報不足に対して、参加者が“あえての苦情”を投げかける場面もあり、信頼の上に成り立つ建設的な愛あるフィードバックのあり方に、会場からも笑いと共感の声が上がりました。




「やってみたい」の一歩を、この夏から


イベントの最後には、那覇市協働大使による交流会「ゆんたく会」が開催され、参加者同士が立場や世代を超えて交流。会場のあちこちで新たな出会いや会話が生まれていました。

   



🎓 なは市民協働大学院2025 開講!


2025年度の講座は、7月12日(土)〜12月まで開催します!

おかげさまで、募集定員を超えるお申し込みをいただきました。



「自分にもできることがあるかもしれない」

「地域のために、何か始めてみたい」


そんな想いが芽生えた方へ。

あなたの“やってみたい”を育てましょう!



🎥 当日の様子はSNS・YouTubeでも公開中!

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▶ 当日スライド資料リンク

https://drive.google.com/file/d/1yhasN5ke652kq40DwG3DMOmH1vtdbupY/view?usp=sharing