第4回講座「地域を知る」
2022年8月30日(火)
場所:なは市民活動支援センター 会議室2・3
参加者:受講生17名、チアーズ5名、那覇市7名
1.イントロダクション・本日の講座内容について
宮城よりスライドを使って第3回公開講座の振り返りを行いました。
●「土・水・風・種」
●「不完全プランニング」
●「プラスクリエイティブ」
●リサーチ(調査)ポイントの確認
じゃばら手帳や企画のフローチャートを確認しながら、リサーチポイントの確認を行いました。
みなさんが行なっている「現状把握」は土を知るためのリサーチです。
「土」を知る調査方法には、「調べる・比べる・聴く・歩く・見る」などがあります。
そして、「水」にあたる「土に水を与える存在」、「風」にあたる「土に新たな種を運んでくる存在」にどんなものがあるか、課題に対しても、いろんな視点で分析することもとても大切です!
「現状とビジョンのズレ」について、認識することは、企画づくりに入る前の大事なポイントです。
課題設定ができたら、どんな「影響」を及ぼしたいのかを想定していきます。
ここまでできたら、ついに「種(企画)」について考えていけるのですね!!
2.地域の現状・特徴をまとめよう
ここからは、じゃばら手帳とも照らし合わせながらグループワークを行いました。
▶じゃばら手帳(4ページ)
①これまで調査した内容について、グループで現状整理を行い、
地域について共通認識を持つためのグループワークを行いました。
②地域の特徴を確認するため、各グループで活動する地域には
どんな水の人・土の人・風の人がいるのかを
付箋紙(土→黄色、水→青色、風→緑)に書き出して確認し合いました。
●土の人=そこに居続ける存在。しっかり根を張り活動し続けている存在
●水の人=その土地に寄り添い種に水をやり続ける存在。中間支援的存在
●風の人=その土地に「種」を運ぶ、刺激を与える存在。
【中心市街地】 ①6校区のうち、那覇小のみ校区まち協がある 自治会がないエリアがある 課題:商店街や治安の問題で盛り上がった
イベントは多いが、地元の人のためになっているのか疑問を感じている ②土・水:小中PTA、商店街、飲み屋経営者 風:大きなイベントがあり、大きな施設が多い 種:イベント(多い) 【新都心】 ①ないものはないが、あるものはある地域 コロナ禍のなかでイベントが減った ②土:転勤してきた人、イベント企画者 水:なは市民協働プラザ(公民館がないがカバーしている) 銘苅小学校子育て応援部(やる気のある人たちが多い) 消防署、包括支援センター(少ない)、マンション 風:結クラブ、デイサービス、おもろまちお節介クラブ、植樹活動、竹細工職人 大学院チーム 【真和志】 ①エリア:栄町市場が気になってきている ②土:包括支援センター、青少協、シニアの方(掃除をしてくれるおじいちゃん) 市場の方々、スナックの経営者の皆さん 水:いまいパン、子どもの遊び場、栄町市場、天ぷら屋さん 風:ハンタガワcafe、栄町のイベント 【首里】 ①校区:城北小学校区に絞ろうと考えている
課題:他の校区から声をかけられないことが多いこと
テーマ:徒歩通学ができるようになるといいな
②土:自治会、PTA、ボランティア 水:まちづくり協議会(現在はないがスタートすることを見据えて) 風:首里チームがなる! 【那覇西】 ①課題:海抜が低い、古い建物が多い、マンション建設ラッシュ、液状化現象のおそれ テーマ:防災に取り組みたい やってみたいこと:災害時にどんなことができるのかをコンテスト形式で実施 ターゲットを絞り込むためのアンケート作成 若者、単身者へのケアなど ②土:天妃小学校区まちづくり協議会、専門学校、外国人専門学校 コンビニ、リウボウ、飲食店(多い) 県庁・市役所(近い)、交通の便(良い)、建設関係等企業(多い) デイサービス(あり)、不動産屋 水:消防署、交番、銀行、地域包括支援センター、まちづくり協働推進課 なは市民活動支援センター、社協、専門分野に関わる方々 風:防災カフェ、専門分野に関わる方々 【小禄】 ①校区:エリアが広いが、高良小学校区に決めようかなと考えている 課題:自治会の力が強く、大運動会や豪華賞品がもらえる駅伝など、 住民を巻き込んだ大きなイベントもあるが一発花火で終わっている感がある。 テーマ:子どもたちのために横のつながりをつくりたい ②土:PTA、小禄JA、公民館、青少協 水:学校関係者、児童クラブの子どもたち、自主防災を実施していている方々 地域包括支援センター、企業(人、建物) 風:自衛隊が多い、県外の方、自治公民館、学校、自主防災を実施していている方々
各グループへ事務局からのコメント▶︎
土・水・風の人を考える時、より地域の現状・特徴を把握するためには、
具体的な団体・建物・キーパーソンを書き出して整理していくことが大切です。
土・水・風の人に分ける時、重なる人・団体がでてくることもありますが、それもOK!
地域の現状がみえてきたら、地域で活動するためにどんな存在が必要なのかも考えてみましょう!!
みなさんが活動する地域、固い土だなと感じる場合、
その土を柔らかくする水はどんなものがあるでしょうか?!
3.テーマを設定する
地域の「何」を育てる種がほしいか(テーマ設定)を考えるために、
2つのグループワークを行いました。
①社会の要請・個人の要請を確認するためのワーク
▶じゃばら手帳8〜9ページ(社会の要請)
じゃばら手帳10〜11ページ(個人の要望)
まずは視点を変えて、前半のワークで出しあった「水の人」「土の人」「風の人」から
それぞれキーパーソンになりえそうな人を選びます。
次に、それぞれのキーパーソン、「チームの思い」を語る役を決めます。
それぞれの立場に立ってみることで、土・水・風の人がどんな考えや想いをもっているのか、
どんなことを求めているのかを知る、知ろうとする視点がもてます。
②どういう影響を与えたいのかを見つけるワーク
▶︎じゃばら手帳14ページ(社会に及ぼしたい影響(インパクト))
それぞれの役が地域や人に、どんな課題を持っていて、
どうなったらいいと考えて活動しているのかを、想像して語り合います。
それぞれの人になりきってみることで、これまでと違う視点を得たり、
一緒にやれることを見つけたり、グループで取り組みたいことが見えてくるはず!!
4.進捗共有
地域でどんな課題に取り組んでみたい?
▶じゃばら手帳10ページ(課題の抽出)
2つのワークを行った後、どんな課題が上がってきているかを個別にまとめ、
グループ内で共有しました。
その後、各グループに発表してもらいました。
注意したいのは、「課題」であり、「何をしたいか」ではないことです。
【中心市街地】
課題:種や風は多いが、地元住民のための種・風を増やしたい。飲み屋街の騒音など
課題の共有中で、テーマは決まっていない
【新都心】
課題:隣人がどんな人かがわからない
テーマ:知り合えるイベントをやってみたい(屋外のアクティビティを増やしたい)
【真和志】
興味があることを出し合ってみることで、栄町市場に興味があることがわかってきた。市場にフォーカスを当てていこうと思い始めている。
課題:栄町市場は夜は盛り上がっているが、昼のお店が減っている。(理由は様々)子どもの居場所が減っている。経済効果が薄れてきている。
テーマ:まだ決められていない
【首里】
課題:イベント・祭りがない、ランドマーク的な場所がない
やりたいこと:まち協をつくりたい、お祭り
校区:城北小学校(地域連携室で活動をできないかなと考えている)
【那覇西】
課題:防災に関しての知識が浅い・隣人同士が知らない
テーマ:防災に関する知識を高めたい。隣人同士が知り合えるようになりたい
【小禄】
課題:イベントはあるがその場で終わってしまう。交流が続かない。世代間交流がない
テーマ:世代交流が生まれるようにしたい
5.本日のまとめ
同じ種をたくさん撒いても過剰になる
水をあげる人がいないと種は育たない
次にどんな実をつけて欲しいか(どんな地域にしていきたいのか/テーマ設定)をイメージしましょう。
そこまでできたら、より地域にあう「種」を考える段階に入ります。
今回、チアーズや那覇市の職員のみなさんもグループワークに参加してくださいました。