2025年7月29日(火)18:30〜21:00
会場:なは市民協働プラザ2F なは市民活動支援センター 会議室①
参加者:受講生28名、チアーズ
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❖ 講座冒頭:再会と新しい仲間との出会い
第1回以来の再会となるこの日、今回から初参加の6名が自己紹介。それぞれの地域や活動への想いが語られ、拍手と笑顔で歓迎されました。那覇市に関わる多様な経歴や視点が加わり、チームに厚みが増しました。
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❖ 事務局・宮城による導入:「現状・問題・課題」の整理
事務局からは、企画づくりの出発点として必須の3つのキーワードと定義が提示されました。
現状(現象)・問題・課題の違い
• 現状…現在の状態のこと、起こっていること・現象
• 問題…ビジョンと現状とのギャップ。何が困るのか?
• 課題…ギャップを解消するために取り組むべきこと
「少子高齢化」を例に、現状の事実と、その背後にある理想とのギャップをどう見極めるかを解説。宮城は「現状認識の精度がルート選びを左右します」と強調し、現状・問題・課題を意識することで行動の方向性がぶれにくくなると伝えました。
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❖ 講義① 稲垣暁さん:「地域について知ろう‼︎」
「気になる」から「課題設定」へ 〜地域にどう耳を傾けるか〜
社会福祉士・メディアコメンテーターの稲垣暁さんは、曙地区の交通環境を題材に「高齢ドライバーの社会的リスク」という課題が導き出されるまでのプロセスを紹介しました。
ここでのゴールは、地域情報のインプットではなく、
• 「気づき」を「問題意識」「課題提起」に高める
• 動機となった情報を整理する
• 関わるべき主体(サブジェクト)を絞る
• 地域にどうアクセスし、どう波長を合わせるかを考える
さらに、「見立て」には予備調査(証明材料)が必要であることを解説。数値データ、学術的根拠、行政や交通事業者への取材、専門職や住民への聞き取り、非言語的な観察まで、多角的な視点での検証の重要性を強調しました。
稲垣さんは「課題は、自分の関心だけでなく、その地域の誰にとっての課題なのかを明確にすることが大切」と語りました。
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❖ 講義② 宮道喜一さん:チームでテーマ設定
後半は宮道喜一さんの進行でグループワーク。各チームが次の項目を整理しました。
エリア(小学校区)
• 取り組みたいテーマ
• 地域の課題の設定(仮説)
• テーマ・課題を設定した理由
• テーマ・課題を深めるために得たい情報
• 次回(第3回講座)までに調べることや担当の確認
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❖ 各チームの発表内容
1. 中心市街地チーム:地域のコミュニケーション不足
2. 真和志チーム:交通渋滞と子ども・高齢者の安全
3. 大道(真和志)チーム:子どもの安全と夜間環境
4. 小禄チーム:地域内交流の希薄化
5. 首里末吉チーム:高齢者の居場所づくり
6. 新都心チーム:防災をきっかけとしたつながり
7.(首里)チーム3/4:子どもの貧困と不登校
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❖ 全チームの発表後の講師からの総評
稲垣さんは、今年は例年と傾向が異なり「交流」と「子ども」に関するテーマが多かったと分析。そのうえで「皆さんが挙げたものは、本当に課題なのか? そして誰にとっての課題なのか?」という問いを重ねました。特に、当事者が「困っていない」場合へのアプローチの重要性を指摘し、「困り感のない層への働きかけも課題の一部」と強調しました。
宮道さんは3点を提案。
1. 「誰が困っているのか」を深める:後の活動で必ず問われるため、明確化が必要。
2. マジックワードの具体化:「つながり」「活性化」など賛同を得やすい言葉(マジックワード)こそ、人によって解釈が異なるため具体化する。
3. 既存の活動の発見、把握と引き取り:既に地域で取り組んでいる人や組織を見つけ、その活動を引き継ぐ・連携することで課題に近づける。
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❖ お知らせ&次回予告
• 東京大学主催「COGチャレンジオープンガバナンス」参加案内
• 宿題:まち歩きやヒアリングの実施と記録共有
• 次回(8月19日):玉城陽平さんによる「オープンデータと生成AIを地域づくりに活かすコツ」
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❖ まとめ
第2回講座は、「気になること」を検証可能な課題に変えるための思考法と地域調査の手法を学び、各チームの方向性を固める時間となりました。「誰のための課題なのか?」という問いかけは、多くの受講生に深く響きました。回を重ねるごとに深まるチームワークにも目を見張るものがあり、宿題のまちあるきで更なるチームビルディングにも期待!次回はデジタル技術を活用して課題解決の道筋をさらに具体化していきます!